ハノイってどんなところ?旅立つ前におさえておきたい基礎知識

ベトナムの首都・ハノイ。観光分野についてはホーチミンに遅れをとっている印象はありますが、派手さはなくとも、しっとりとした雰囲気が好きだという声も多く聞かれます。緑多い街・ハノイを訪れる前に、知っておきたいこと。ナビがまとめてみました。

ハノイってどんなところ?旅立つ前におさえておきたい基礎知識 ハノイ 歴史 気候交通
こんにちは、ベトナムナビです。
ベトナムという、急成長を遂げる国の首都でありながら、地味な印象を拭えないハノイ。実際、ベトナム旅行といえば、ホーチミンにスポットが当たり、ハノイはついで…という人も多く、そのせいか、まだハノイに関する情報は多いとは言えません。しかしハノイは、1000年に及ぶ長い歴史を持つ都市というだけでなく、市内及び郊外や近辺地域に日系も多く含む様々な外国企業が進出している、いわば遅れてきたホープ。在住外国人の増加と共に、おしゃれなショップやカフェも目に見えて増えてきました。それだけではなく、若者のエネルギーが強いのはハノイでも同様で、若いデザイナーやバイヤーによる、センスのいいショップも街のあちらこちらに出現。大型デパートも続々建設されるなど、近年急激な変化を遂げています。歴史と現在がランダムに絡み合う街、ハノイは初めての人もリピーターも、驚かされること間違いなし!今回は、そんなハノイを訪れる前に知っておきたいあれこれをまとめてみました!

面積と人口

ぎっちり、という表現がぴったりのハノイ。大小の家屋の間に高層ビルがにょっきり。

ぎっちり、という表現がぴったりのハノイ。大小の家屋の間に高層ビルがにょっきり。

ハノイはベトナム北部に位置し、その面積は約3,325㎢。ハノイ市全体で170万2552世帯・691万3161人が生活しています。人口密度は約2079人/㎢(2010年12月の統計)。
ハノイは2008年8月に大規模な市町村合併を行い、これに伴い面積は約3.6倍、人口は約2倍と一気に増加。この急激な増加率は当時、新聞各紙を賑わせました。現在、ハノイ市は行政上10区1町18県に区分されており、中でもハイバーチュン区・バーディン区・ホアンキエム区・タイホー区が観光業及び商業の中心となっています。また、この4区は外国人居住者の多い地域ともなっています。ちなみに、ハノイ市内には30万人を超える外国人長期滞在者が住んでいます。

ハノイの歴史と現在

ホアンキエム湖の東側には、ハノイへ都を遷した李太祖の巨像が建つ

ホアンキエム湖の東側には、ハノイへ都を遷した李太祖の巨像が建つ

ハノイがベトナムの中心となったのは7世紀頃のこと。唐(=当時の中国)の時代、重要な交易路上に位置していたことから、唐による南方支配の拠点となりました。その後、唐代末にはその重要性は一時的に低下したものの、11世紀始め、李朝(1009~1225)の創始者、リー・コン・ウアン(リー・ターイ・トー=李太祖、974~1028)によって、前王朝の都があったホアルーから、都がこの地に遷されました。李太祖の乗る船が到着した際、空へと昇る金色の龍の姿が見られたことから、この地は『タンロン=昇龍』と名付けられ、この名は以降1000年が経った現在でも、人々に親しまれています。その後、1802年に阮朝によって中部のフエに都が遷されるまで、王都として繁栄していました。
1945年、ホーチミン主席によって独立宣言文が読み上げられた、バーディン広場

1945年、ホーチミン主席によって独立宣言文が読み上げられた、バーディン広場

1831年に、紅河とトーリック河に挟まれたその立地から「ハノイ=河内」と呼ばれるようになり、その名が定着。1873年からフランスの統治下におかれ、1887年以降はフランス領インドシナの中心地となりました。
1940年の日本軍進駐により日本の占領下に置かれますが、1945年、日本の敗戦に伴い占領が終了。同年9月2日にベトナム民主共和国としての独立を宣言。1946年から始まった第一次インドシナ戦争では再びフランス軍の占領下に置かれる場面もありましたが、1954年にベトナム側が勝利したことにより、共和国の独立は維持され、首都がハノイに置かれました。
現在、ハノイ市南部での開発が進んでいる

現在、ハノイ市南部での開発が進んでいる

1960年代から始まったベトナム戦争ではハノイも戦場となり、アメリカ軍からの爆撃を受けますが、戦後、南北統一がなされると、ベトナム社会主義共和国の首都と定められました。現在、ハノイは政治・文化の中心となっており、国会・最高裁・官公庁が集中しています。また、商業都市としてはホーチミンに遅れを取ってきたハノイですが、近年、外国企業のベトナム北部への進出が盛んになり、在住外国人の数が増え、さらに国民の生活が豊かになるにつれ、大規模な道路建設、新興住宅街や大型ショッピングセンターの建設が進んでおり、その都市機能は拡大を続け、今後しばらくはその発展は止まることがないと見られています。

気候

ベトナム=南国。これは紛れもない事実なのですが、北部に位置するハノイには何と、冬が存在します。
こちらは2011年8月の冠水の様子。道路が川のよう

こちらは2011年8月の冠水の様子。道路が川のよう

ハノイ人の自慢の一つが「四季が存在すること」。ただし、春は短く、1年の半分は夏の気候です。特に6月から8月は気温は30℃近くまで上がるだけでなく、湿度も80%超えが当たり前!という非常に不快な季節。降雨量のピークは7月と8月で、平均降水量は300㎜を超えます。雨が続いて道路が冠水し、車が立ち往生するという光景も決してめずらしくありません。10月から気温が下がり始め、空気も乾燥してきます。
12月から冬が始まり、気温は15度前後とそれほど低くありませんが、雨の降った日の翌日などは身に沁みる寒さとなり、十分な寒さ対策が必要です。…ですが、ハノイの冬の恐ろしいところは、まれにものすごく暑い日が来ること。非常に興味深いのが、旧正月(2012年は1月23日は旧暦上の元旦)の1週間前から気温が急上昇し、元旦が3日後にせまるとまた一気に気温が下がること。2011年の旧正月はこれが逆転し暑い正月となりましたが、いずれにせよ、寒いと思ったら急に暑くなるのがハノイ。特に冬の時期は服装を熟慮されることをおすすめします。
観光のベストシーズンは秋。この時期は涼しく、穏やかな天気が続くため、アオザイやウエディングドレスを着て写真撮影を行うカップルが多くみられ、その美しさにうっとり。
日差しの強い夏。美白意識の高いベトナム人は、よく日傘を差している。

日差しの強い夏。美白意識の高いベトナム人は、よく日傘を差している。

空が高くなり、気温が下がってくると、長袖が当たり前になる。

空が高くなり、気温が下がってくると、長袖が当たり前になる。

写真撮影を行うカップル。撮影のベストシーズンは春と秋。

写真撮影を行うカップル。撮影のベストシーズンは春と秋。

言語

食堂街の看板。

食堂街の看板。

言語はベトナム語を使用。ただし、南部で使用されているものと発音が大きく異なり、同じものを示す単語が違うことも。市販の単語帳をチェックしてみて、北と南で違う単語が記載されている場合は、言葉が理解されないという事態を防ぐためにも、地域に合わせた言葉を使用するのが無難です。
発音の違いについて簡単に説明すると、北部弁には「ヤ行」の音はなく、南部にはない「ザ行」の音が存在します。南部弁に比べ、音そのものや音階がはっきりしているので、外国人には聞き取りやすいようです。

ハノイの時間

こうした天秤棒を担いだ女性の姿は、早朝から見ることができる

こうした天秤棒を担いだ女性の姿は、早朝から見ることができる

ベトナム人は概して朝の早い民族。学校が始まるのが7時半からと早く、会社の始業時間も日本と比べ1時間ほど早いところがほとんど。市場文化が残っているため、市場に人が集まる時間に合わせて朝6時から開いている食堂も多くあります。また、太極拳やエアロビクス、ウォーキングなどを楽しむ人の姿があちこちで見られます。
昼休みは会社によって異なりますが、長いところでは11時半から1時半まで。この時間帯は航空会社や銀行、行政機関などは閉まってしまうところが多いので注意。家族経営の商店なども、この時間は閉まっているか、開いていても店主が昼寝中…ということがほとんど。ちなみに、オフィスアワーは朝は9時から11時半、昼は1時半から5時半というのが一般的です。
5時半から6時半まではラッシュアワー。夕食の時間が過ぎる頃には、バイクに乗って市内を走り回る親子や恋人たち、湖の畔や公園で思い思いに過ごす人々の姿が見られます。ハノイの夜は早く、ショップであれば8時まで、レストランであれば10時までが一般的な営業時間。0時を越えて営業する店はほとんどありません。寝静まった夜の街には暴走するバイクや大声で喧嘩する酔っ払いなど、危険が蔓延っているので、外出しないのが無難です。

ハノイ人ってどんな人?

ハノイのおばちゃんは逞しい。値段交渉という戦いに、あなたは勝てる?

ハノイのおばちゃんは逞しい。値段交渉という戦いに、あなたは勝てる?

ハノイ人は南部の人に比べ、勤勉で計画性があると言われています。質素な生活を好み、気性もそれほど荒くありません。一方で、サービス業に関して非常に不向きであるとの評価も。「彼らは『買ってもらう』のではなく『売ってやる』んだ」とはナビの友人(ベトナム人)の弁。みなさん、お買い物の際には心の準備を。
また、若い世代には新しいもの好きが多く、海外のニュースや文化に強い関心を寄せており、野心の強い傾向があります。
総じて本音と建前を使い分けるのが上手く、仲良くなるにはある程度の時間が必要です。

交通機関

観光の際に利用される交通機関についてご紹介しましょう。下記に記載されている料金は全て、2011年12月現在のものです。
ノイバイ国際空港

ノイバイ国際空港

◇航空◇
市の中心から北へ45㎞行ったところにあるノイバイ国際空港へは、成田・関空・中部国際空港・福岡空港からベトナム航空の直行便が乗り入れています。
空港から市内へのアクセスはタクシーまたはバスで。
タクシーは現在、エアポートタクシー・ノイバイタクシー・タクシーサンバイ・ダイナムタクシーが乗り入れ。市内までは一律31万ドン。
バスは空港の2階から外に出て、左手にあるスロープを降りて行くと乗り場に着きます。乗り入れているのはカウザイバスターミナル行きの7番と、ロンビエンバスターミナル行きの17番。料金はそれぞれ4000ドンと5000ドン。終着点となるターミナルは決して広い場所ではなく、そこに大勢の人が集まるため、スリが非常に多く、さらにそこから目的地へのアクセスも容易ではないので、空港からはタクシーで市内へ向かうことをおすすめします。
市内の高架を走る鉄道。市外へ出る列車のみで、市電のようなものはない。

市内の高架を走る鉄道。市外へ出る列車のみで、市電のようなものはない。

◇鉄道◇
ハノイ市の中心からタクシーで10分ほど西に走ったところにあるハノイ駅。ホーチミンへ向かう統一鉄道、及び港町ハイフォンや、少数民族の住まうサパへの中継地点となるラオカイへ向かう列車が出ています。なお、市内を走る路面電車や地下鉄などは2011年12月現在、まだありません。
◇タクシー◇
ハノイ市内では近年、タクシー会社が急増し、その数はすでに20社を超えています。よく利用されているのが、ハノイタクシー・CPタクシー・ハノイツーリストタクシー・JACタクシー・3Aタクシーの5社からなるタクシーグループのタクシー。白い車体に赤のライン、赤で書かれた社名が目印です。初乗りは1万ドンから。なお、若いドライバーの中には道を知らないドライバーも多いので、避けた方が無難です。
路線図つきの地図。ハノイ市のバスは白・赤・黄の車体が目印。

路線図つきの地図。ハノイ市のバスは白・赤・黄の車体が目印。

◇バス◇
市内を走る唯一の公共交通機関がバス。書店へ行くと路線図付の地図が買えます(25,000ドン)。一部の路線を除いてほぼすべての路線が一律料金で、3000ドン。地図を見ながらバスに乗って、現地の人の生活を味わってみるのも一興…ですが、運転が荒く、車内放送はあってもベトナム語のみ。さらにじかんたいと路線によっては非常に混み合い、スリ被害も少なくないので、あまりおすすめはできません。

旅の注意事項

信号はあっても、壊れていることもしばしば。我先にと突っ込むバイクと車で、路上はカオスに。

信号はあっても、壊れていることもしばしば。我先にと突っ込むバイクと車で、路上はカオスに。

今や1人1台と言われるベトナム人のバイク所有数。近年の経済成長により、自家用車の数も増えており、朝夕のラッシュ時にはそこかしこで渋滞が起きています。それほどスピードは出さないものの、ルールを無視した運転をするバイクが多いのですが、特に危ないのが逆走してくるバイク。また、信号無視をするドライバーも多いので、信号が変わったからといってすぐに道を渡り始めるのは危険です。道を渡るときには左右の確認をしつこいぐらいに行ってください。また、信号のない道を渡るときは、早足で歩くこと。走って渡るのはおすすめできません。
また、人の多いところでのスリ、ひったくり被害が多発しています。あまり多くの現金や、クレジットカードを複数持ち歩くことは避けましょう。
また、近年深刻化しているのが大気汚染。街歩きをして喉を傷める人も多いです。また、ベトナムでは路上にごみを捨てて、それを毎夕、清掃員が回収するというスタイルを取っているため、場所によっては耐え難い悪臭も。外へ出る際にはマスクの使用をおすすめします。
昼間は空いている大通りも、ラッシュ時には車とバイクで埋め尽くされる。

昼間は空いている大通りも、ラッシュ時には車とバイクで埋め尽くされる。

路上駐車の多いのも特徴で、渋滞を誘発している。

路上駐車の多いのも特徴で、渋滞を誘発している。

フランス統治時代の名残がそこかしこに残る

フランス統治時代の名残がそこかしこに残る

ハノイの基本情報、いかがでしたか。まだ認知度が高いとは言えないハノイですが、変化し続ける街は、歴史と現代が共存する街でもあり、発見の宝庫です。ノスタルジックでありながら、次々に新しいものを取り込んでいくこの街の面白さを、あなたもぜひ体感してみてください!以上、ベトナムナビでした。

関連タグ:ハノイ歴史気候交通

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-01-25

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